こんにゃく。
コンニャク。
蒟蒻。
一体何物なのか。
皆さんは知っていますか?
こんにゃくを、よく見て欲しい。
加工品と気付かれていない。
姿かたちから原材料が全くわからない。
世界中を見渡しても、これほど何だかわからない食材を見つけることは少ないです。
料理に、こんにゃくが入っていないからと言って誰かが怒ったりすることもありません。
こんにゃく料理の定番であるおでんに、こんにゃくがなかったとしても誰も怒らないでしょう。
味噌田楽ですら、こんにゃくと茄子が入れ替わっていても誰も怒りません。
この脇役感。
それが、こんにゃくです。
よくぞ、こんにゃくに興味を持ってくださいました。
ようこそ、こんにゃくの世界へ。
こんにゃくの知名度ってどれくらい?
日本人として育っている人で、こんにゃくを知らないという人が、いったいどれほどいるでしょうか?
ほとんどいないと断言してもよいのではないでしょうか。
味で主役級の食材
野菜類で言えば、じゃが芋やトマト
魚介類で言えば、秋刀魚やエビやあさり
肉類で言えば、牛や豚や鳥
加工食材で言えば、豆腐やバター
これらがなければ、成り立たない料理が多数あります。
料理のタイトルに堂々と付けられる食材名。
まさに、主役です。
しかし、こんにゃく。
現在では、あったらいいね
それくらいの存在です。
こんにゃくがなければ成り立たない料理を考えても、素材を食べる刺身こんにゃくくらいしか思い浮かびません。
それなのに、この主役級の知名度。
なくても困らない食材。
でも日本人のほとんどがその存在を知っている。
こんな食材、そうはないのではないでしょうか。
こんにゃくの原材料って何?
こんにゃくの原材料は何だと思いますか?
正解は「こんにゃく芋」という芋です。
どんな芋か。
こんな芋です。
旬の時期は冬。
一個の芋を蒟蒻に出来るサイズにするのに3年かかります。
暑さに弱く、霜にも弱い、ナイーブな芋です。
戦時中は、腹にもたまらないこんにゃく芋など育てている農家は非国民だと芋を植えさせられと思ったら、風船爆弾に使うからとこんにゃくを植えろといわれ、こんにゃく蒻農家はふりまわされていました。
使える芋になるまで3年もかかるため、こんにゃく農家はとても大変です。
イノシシも食べない。
人間もそのまま食べられない芋。
そんな芋からこんにゃくは作られます。
※芋については、また書きますね。
こんにゃくの存在価値は?
こんにゃくは、味を出す食材でも味を吸うのに適した食材でも無い、食感ばかりが面白い食材です。
食感こそが、こんにゃくの最大の価値かと思います。
料理をする上で、3つの特徴を持って食材を見ます。
1,味
2,見た目
3,食感(香り含む)
そもそも、食感を売りにしている脇役食材は多いです。
干瓢、麩、切り干し大根、等など
ジャギジャギと歯切れの良い音を楽しんだり、舌で潰し切れるような食感だったり。
こんにゃくの演出は、
・ツルツルとした舌触り。
・ブッツリ切れる歯切れの良さ。
・歯茎をお仕上げてくる弾力感。
こんなに特徴があります。
料理の中に食感のアクセントを入れたい時、こんにゃくは本領を発揮します。
料理を味だけで見ると、こんにゃくの存在価値は薄れます。
しかし、料理を食感まで含めて考えると、こんにゃくの重要性が分かってくるかと思います。
こんにゃくは、食感食材界のスターです。
こんにゃくの食材としてのイメージはこんな感じ?
こんにゃくの海外での評価は?
こんにゃくを海外に持っていき、展示会で発表したところ、結果は、酷いものだったといいます。
見た目:スライム。食べ物として見れない。
味:生臭い。
食感:意味わからない。怖い。
ツルツルして弾力があって、なにこれって感じですね。
蒟蒻の売りの特徴が、もう全部ダメって感じ。
その印象のせいで、こんにゃくの英語名は「デビルズタン(悪魔の舌)」。
こんな名前がつけられてしまいました(笑)
しかし、近年こんにゃくは、ダイエット食材として評価が上がってきているようです。
名前も変わってきました。
devil’s tongue(デビルズ タン)
↓
Konjac(コンジャック)
アジアっぽい名前になりました。
ダイエット食材として、人気になっているこんにゃく。
タピオカが人気の今、こんにゃくはもっと行けるはずだ。
食感という食文化を世界に広げてやろう!!
こんにゃくを食べよう
こんにゃくを食べたくなってきたのではないでしょうか?
まずは、こんにゃくの臭みをしっかりと抜いみよう。
そして、味噌田楽にして食べてみよう。
味噌田楽は簡単で、こんにゃくの食感が楽しめます。
一口サイズではなく、二口以上で食べる大きさで切るのがおすすめです。
噛み切ったときの食感
歯茎に当たる感覚
舌に当たるツルツル感
そもそも、こんにゃくの食感を楽しみながら食べた事はないのではないでしょうか?
何となく食べると、特に印象のない田舎っぽい食べ物です。
食感をメインに食べると、実に面白い食べ物です。
日本食材を代表する、食感食材界のスター
それが、こんにゃく。
ぜひ、今日のおやつか、晩御飯のプラス一品に作って見てください。
まとめ
こんにゃくは、食感を楽しむ食材です。
写真映えしない食材。
地味な食材。
食材は《味》《見た目》《食感・香り》が重要です。
ですが近年は食事のバランスが変化して、《見た目》《味》が重要になりました。
見た目が地味な田舎っぽい脇役食材たちは食べらなくなってきています。
食材の個性を《食感》に特化した食品達。
その一つが、こんにゃくです。
通ぶっている訳ではない。
《味》ではなく《味わい》で重要なのです。
国外でもこんにゃくは認知され始めました。
ダイエットの観点から見たこんにゃくのポテンシャルは相当なものです。
臭みを抜いたこんにゃくは単純に美味しいです。
腹持ちも良いし、合わない食材も少ないので、いろんなものに入れて食べてみてください。